広島県は、西条を中心に発展した吟醸酒文化を持つ日本三大酒処の一つです。

兵庫県の灘、京都府の伏見、そして広島県の西条。この3地域は日本酒文化を語る上で欠かせない存在です。

SIPORY編集部は広島を「軟水醸造法発祥の地・現代吟醸酒文化の母」と位置づけています。この記事では、広島県の日本酒文化や代表銘柄、酒蔵巡りの魅力を、/brewery?pref=広島県 との連結も含めて紹介します。

広島県が酒どころと呼ばれる理由

広島県には現在約45の酒蔵があり、日本三大酒処の一つ・西条を中心に独自の酒文化を発展させてきました。

西条という酒都の存在

東広島市西条には7社の酒蔵 (賀茂鶴・亀齢・賀茂泉・福美人・西條鶴・賀茂輝・白牡丹) が「酒蔵通り」を形成。重要伝統的建造物群保存地区にも指定されており、全国から観光客が訪れます。

詳しくは 日本三大酒処とは も参照してください。

軟水醸造法の発展 — 三浦仙三郎の偉業

明治時代、安芸津の三浦仙三郎が「軟水醸造法」を確立しました。それまで「軟水では良い酒は造れない」とされていた常識を覆し、軟水でも腐造しない吟醸酒製法を開発。この技術は全国に伝播し、現在の吟醸酒文化の基礎となりました。

「広島が吟醸酒の故郷」と呼ばれる所以は、この三浦仙三郎の功績にあります。

吟醸酒文化

現在の吟醸酒人気の土台を作った地域の一つでもあります。

広島県の代表銘柄

賀茂鶴 (賀茂鶴酒造 / 東広島市)

1873年創業。広島県を代表するブランドで、ゴールド賀茂鶴 (金箔入り) は2014年オバマ訪日時にも振る舞われた歴史的銘柄。詳しくは 賀茂鶴とは を参照してください。

雨後の月 (うごのつき / 相原酒造 / 呉市)

1875年創業。全国的な人気を誇る純米吟醸の名門。透明感のある味わいが特徴です。

賀茂泉 (賀茂泉酒造 / 東広島市)

1912年創業。純米酒の元祖蔵の一つで、広島地酒の代表格として地元で長く愛されています。

富久長 (ふくちょう / 今田酒造本店 / 東広島市安芸津)

1868年創業。今田美穂氏 (女性蔵元のパイオニア) のもとで国内外で高い評価。八反錦への深いこだわりで知られます。

龍勢 (りゅうせい / 藤井酒造 / 竹原市)

1863年創業。軟水醸造法の系譜を継ぐ蔵元。伝統的な酒造りを守る実力派です。

千福 (せんぷく / 三宅本店 / 呉市)

旧海軍御用達。呉の食文化を支えてきた銘柄。

広島県の代表酒蔵を訪ねる

地区別に代表蔵を整理しました。詳細は /brewery?pref=広島県 からどうぞ。

西条エリア (酒都・酒蔵通り)

  • 賀茂鶴酒造 (賀茂鶴) — 東広島市西条
  • 亀齢酒造 (亀齢) — 東広島市西条
  • 賀茂泉酒造 (賀茂泉) — 東広島市西条
  • 福美人酒造 (福美人) — 東広島市西条
  • 西條鶴醸造 (西條鶴) — 東広島市西条
  • 賀茂輝酒造 (賀茂輝) — 東広島市西条
  • 白牡丹酒造 (白牡丹) — 東広島市西条

安芸津エリア (軟水醸造法発祥の地)

  • 今田酒造本店 (富久長) — 東広島市安芸津
  • 柄酒造 (関西一) — 東広島市安芸津

呉エリア (海軍文化と酒)

  • 相原酒造 (雨後の月) — 呉市
  • 三宅本店 (千福) — 呉市
  • 中尾醸造 (誠鏡) — 竹原市

竹原・尾道エリア

  • 藤井酒造 (龍勢) — 竹原市
  • 中尾醸造 (誠鏡) — 竹原市
  • 醉心山根本店 (醉心) — 三原市

県北エリア

  • 山岡酒造 (瑞冠) — 三次市

広島県で使われる酒米

八反錦 (はったんにしき)

1984年に品種登録された広島県を代表する酒米。富久長の今田美穂氏が特に愛用することでも知られます。

中生新千本 (なかてしんせんぼん)

広島県オリジナルの酒造好適米。

山田錦

高品質酒の中心。山田錦とは を参照してください。

雄町

岡山県発祥の酒米だが、隣県広島でも個性的な酒造りに使用されています。雄町とは を参照。

広島県の酒質

広島県の日本酒は、

  • 軟水仕込みによる柔らかさ
  • 上品で繊細な香り
  • バランスの良い旨味
  • 食事に寄り添う設計

という特徴があります。吟醸酒文化の影響も強く感じられます。

酒文化と祭り

酒まつり

毎年10月、西条で開催される日本最大級の日本酒イベント。全国から1000銘柄超が集結し、20万人以上が来場します。

その他

  • 酒蔵巡り (西条) — 通年で7蔵を歩いて巡れる
  • 安芸津 三浦仙三郎まつり — 軟水醸造法発祥の地で開催

酒蔵巡りモデルコース

日帰りモデル (酒都・西条)

西条駅 → 酒蔵通り (7蔵すべて徒歩圏内) → 賀茂鶴・賀茂泉 → 地元グルメ (美酒鍋・お好み焼き)

7蔵が徒歩圏内に集まる稀有な土地です。

1泊2日モデル (広島横断)

西条 → 呉 (相原酒造・雨後の月) → 竹原 (藤井酒造・龍勢) → 安芸津 (今田酒造本店)

広島の酒文化を満喫できます。

編集部おすすめの3本

賀茂鶴 純米吟醸 双鶴

広島を代表する一本。軟水仕込みの上品さを体感できます。

雨後の月 大吟醸

純米吟醸の完成度の高さで全国的人気。

富久長 八反 純米吟醸

広島オリジナル酒米・八反錦を体験できる一本。

他の中国・西日本県との比較

自分の好みに合うか確かめる

広島県の軟水仕込み・上品系が自分に合うかは、好みの方向性を先に知っておくと判断が早くなります。

まとめ

広島県は、日本三大酒処の一つとして長い歴史を持つ酒どころです。西条を中心に発展した吟醸酒文化は、三浦仙三郎の軟水醸造法から始まり、日本酒業界全体にも大きな影響を与えてきました。

日本酒の歴史や文化を深く知りたい人にとって、広島県は欠かせない地域です。次の西条訪問では、酒蔵通りを歩きながら7蔵の個性を比較してみてください。1日で軟水醸造法の世界が体感できます。

関連記事

よくある質問

広島県で一番有名な日本酒は何ですか?

賀茂鶴が全国的に有名です。ゴールド賀茂鶴は2014年オバマ訪日時にも振る舞われました。

西条とは何ですか?

灘・伏見と並ぶ日本三大酒処の一つで、広島県東広島市にある酒都です。現在も7社の酒蔵が「酒蔵通り」を形成しています。

軟水醸造法とは何ですか?

明治時代に広島県安芸津の三浦仙三郎が確立した、軟水でも腐造しない吟醸酒製法。現代の吟醸酒文化の基礎を作りました。

八反錦とはどんな酒米ですか?

1984年に品種登録された広島県オリジナル酒米です。富久長などで広く採用されています。

酒蔵見学はできますか?

西条の7蔵をはじめ多くの蔵で見学可能です。詳しくは /brewery?pref=広島県 からご確認ください。

出典: 広島県酒造組合 酒まつり (西条) 日本酒造組合中央会